東進模試 のバックアップ(No.28)



はじめに

  • 東進模試は毎月1回定期的に実施され、マーク模試は偶数月に、記述模試は奇数月に実施される。これらに加えて大学別模試が実施される月もある。
  • 東進模試は非常に多種類ある。似たような趣旨のものも多いため、一つ一つ区別して把握する必要性は低いし、種類が多すぎて混乱をきたす者も多いように思われる。そのため、ざっくりと「マーク模試を偶数月に、記述模試を奇数月に受ける」と把握しておくと良い。
  • 各模試の詳細は以下のページ参照。

特徴

  • 東進生には受験「義務」がある。
    • 東進は約款で模試の受験を義務化*1している。東進生は年間の模試費用を一括で払わされており(授業料のページを参照)、自分には不必要だと思える模試も原則受けなければならず、担任からの圧も強い。
    • 模試を休んだ場合、後日受験が命じられることがある。後日受験は問題と解答用紙を配布し、個人で解かせて提出させる校舎が多いのだが、答案を提出するまで授業が受けられない(=受験義務を放棄できない)校舎もある。
    • 結局、強制度合いは校舎によるところが多い。通おうと思っている校舎に友人がいたら、聞いてみるといいかもしれない。尤も、何年か在籍するうちに担任が変わって、強制度合いが高まる可能性もあるのだが。
  • 実施回数が多い。実施間隔が短い。
    • マーク模試は年6回も行われる。東進は「基礎固めとして」共通テスト対策に力を入れており、この点が他の予備校と根本的に異なる*2。記述模試は年5回行われる。これとは別に行われる大学別模試と実施時期や役割が重なっている場合も多く、過剰である。
    • 実施間隔が短いため、自分の学力をこまめに測ることができる。これをバロメーターとしつつ、日々の勉強を頑張ると良い。また、実施間隔が短いため、「対策する→受験する→復習する」のサイクルを速く回すことができる。自分の弱点をこまめに発見・修正し、学力の向上に結びつけることができる。
  • 問題の質はあまり良くないとされている(林先生志田先生にも酷評されている)。
    • 他予備校の模試の質も過去問と比べると粗悪なものが多いのだが、東進の模試はそれ以上に悪いという意見が散見される。
    • 時間配分や雰囲気慣れなどの実地経験の獲得、演習量の確保、苦手分野の発見などに有用なのは言うまでもない。
  • 結果の返却が速い。マーク模試は約7日で、記述模試は約10日で返却される。学力POS上でなら、もう少し早い段階で見ることができる。
    • 返却が速いのは、受験者総数が少ないから、学校の団体受験を試験日を遅らせることなく公開会場と同日に行うから、後日受験者の成績を集計に組み込まないから、などの理由が挙げられる。
    • 他予備校は、記述模試・マーク模試ともに返却に1ヶ月かかる。これは受験者総数が多いから、学校の団体受験日が公開会場の受験日より1〜2週間遅いから、後日受験者の成績も集計に組み込むから、などの理由が挙げられる。
  • 成績表のクオリティが良い。共通テスト模試では、教科・科目別成績や志望校判定だけでなく、科目別成績詳細、設問別成績詳細、あなたへの処方箋がついてくる。
    • 志望校判定では、第一〜第三志望校の、各開催回(同日〜本番)における前年度合格者平均点が、自分のこれまでの点数推移と共に確認できるため、目標が立てやすい。
    • 科目別成績詳細では、大問ごとのボーダー得点などが分かる。合格までの距離を測ったり、苦手分野を掴んだりすることができる。
    • 設問別成績詳細では、設問ごとの正答率などが分かる。皆が解けている問題を間違えた場合は早急に復習し、確実に身につけるようにしたい。ただ、問題番号順ではなく正答率順で並んでいるため、どの問題を間違えたのかが確認しづらい(特に数学)。2018年度までは問題番号順だったのだが…
  • 志望校判定の精度は悪いとされる。受験者総数が少なく、また学力上位層がほとんど受けていないためである。
    • 特に記述模試・大学別模試は、受験者総数が他予備校の模試と比べてかなり少なく、学力上位層があまり受けていないため、データの正確性にはかなり疑問が残る。
    • 東進模試のホームページ*3でも「全国での立ち位置や志望校の合否判定をより正確に知りたいと思う人は従来の模試の中でも受験者数の最も多いS模試東進模試と合わせて受験するのもよいでしょう」とある。
  • 実施日の翌日からt-Podで解説授業が受けられる。解答解説の冊子を読んでも分からなかった問題はこれで解決しよう。
    • 2020年度より、マーク模試だけでなく記述式模試・大学別模試も実施日の翌日から解説授業が受けられるようになった。2019年度までは実施日から2週間待たなければならなかった。
    • 解答解説の冊子で解決できるならばそれが一番良い。時間対効果を考えれば「何でもかんでも解説授業」というわけにもいかないはずである。受講する科目・分野はしっかり絞ること。
    • 2021年の解説授業担当講師はこちら
      2020年の解説授業担当講師はこちら
  • 後日受験への対応は弱い。
    • 後日受験ができるのは東進生のみである。また、後日受験は正当な理由なしには認められない。さらに、自己都合で後日受験する場合には1100円の別料金が発生する*4
    • 後日受験の形態は校舎によって異なる。問題と解答用紙だけ配布して個人で受験させる校舎が多いが、試験当日の1週間後にしっかりと模試監督を設置して集団で受験させる校舎もある。
    • 後日受験の場合、マーク模試・記述模試ともに返却は2週間以上かかる。また、後日受験者の成績は当日受験者の集計には反映されない。
  • 大学別模試について、解答用紙の形式が本番と全く同一である。
    • 他予備校の模試が受験人数の多さから解答用紙の形式をオリジナルなものにして、採点の効率化を進めているのに対して対照的である。
    • 問題冊子含め、驚くほど似ているので、自分の志望校の模試が行われているのであれば、ぜひ受けてみると良い(特に千葉大模試を行っているのは東進くらい)。
  • 東大・京大模試を除き、解答冊子は配布されず、インターネットでのダウンロードのみとなっている。原則試験終了後(遅くても翌日)公開となる。東進生はPOSのダウンロードシステムから、外部生は東進模試の個別ページにアクセスするとダウンロードできるようになっている。ダウンロード期限は次の回の模試まで(次の回が設置されていなければ年度末まで)。閲覧に必要なパスワードは模試の問題冊子の表紙or裏表紙に掲載されている(4桁の数字)。閲覧期限が年度末までに設定されているが、よくあるQ&Aを参照すれば解除可能。なお東大・京大模試の解答並びに全ての模試の問題についても、模試実施から1週間後から1週間限りでダウンロード可能になる。結構見逃している人が多いので気を付けよう。受験していなくてもダウンロード可能。たまにダウンロードしても閲覧できない形式になっていることがあるが、その場合はこちらのサイトで修復を行えば見れるようになることが多い。余談だが、2017年度までは全ての模試で解答冊子を配布していた。2018年度から全国統一テストを年1回から2回に増やすに当たり、必要経費を捻出するために解答冊子の印刷代を削ったらしい。

受験料

  • 東進生は入塾時に模試費を支払っているので、模試申し込み時に料金を払う必要はない。
    • 先述のとおり、自己都合の後日受験には別途1100円かかることがある。
  • 模試の料金は各模試の項目に記載している。
    • 河合塾の全統模試や駿台模試と比べると少しだけ安い。マーク模試の場合、河合塾の全統模試は6000円、駿台模試は6600円、東進模試は5500円である*5

他予備校と日程が重なった場合

  • 原則として、東進模試は受けなければならない。
  • 担任との相談の許可のもとで模試戦略を組むこと。自分の実力と模試の性質をよく考えて、他予備校の模試の取捨を選択すること。校舎・担任によっては、東進模試の取捨選択・後日受験にも対応してもらえるかもしれない。
  • 共通テスト本番レベル模試や、早慶上理・難関国公立大模試、全国有名国公私大模試などは、後日受験*6を受けるのも手。ただし、大学別模試は後日受験ができない*7ので注意。

作問について

東進模試は、ほぼ講師が作問を担当しています。ただし、

  • 1:テレビCMで出てくるような超有名講師は、特別公開授業などで全国に回るのが忙しい為、基本的に作問ではなく、問題の監修を行っていることがある(特別公開授業を年間数十回行っている講師は基本的に外れていると思ってもらって構いません)。
  • 2:公式ページに載っていない講師(東進の公式ホームページに載っている講師は全体の約6~7割ほどらしいです。実際は100名ほどいるようです)が作問を担当していることが多い。

また、とある講師から聞いた話としては、

  • 1:難関大&有名大模試は本部から問題の概要(どの分野の問題を作るかなど)を聞き、それに従い各講師が大問毎に作成し、それぞれの問題を合わせて1つの模試として作成しているらしいです。なので、解説授業を担当している講師が作問しているとは限りません(むしろ作問していない人が解説授業を担当していることが多いようだ)。
  • 2:難関大&有名大&旧帝大模試のどれも、作問を担当する講師が毎年変わることが多い。
  • 3:旧帝大模試はその年の入試傾向を反映し作問するが、難関大&有名大模試は模試が行われる1年以上前に作問するので、講師に聞いてみてもその問題を作ったかどうかはあまり覚えていないらしい。
  • 4:東進の旧帝大模試の数学は異様に難しいが、理由としては、各講師がみんな赤本の難易度で言うB~Cの問題を大問毎に作問し、それをお互い相談することなく集めて1つの模試にしているので難しいようです(本来の試験だとA,B,Cの難易度の問題がそれぞれ1~数題ずつあるが、東進の模試だとそれが無い)。

その他

普通なら関係ないが、ネット申し込みでは二浪まで(厳密には20歳まで)しか受けられないことになっている。大学再受験を考えていて東進模試を受けよう、と思っている21歳以上の方(そんな人がいるかはわからんが)は東進に直接問い合わせてください。この年齢制限は、既卒生がいたずらに受験し、正確なデータを収集できないということが起きないようにしているものなので、20歳以上の方で大学進学を目指している方なら受験することが出来る。(その旨伝える必要はある。)





*1 他の予備校では、模試の受験が奨励・指導されてはいるものの義務ではない。最終的な取捨選択権は自分の元にある。
*2 駿台・河合は難度の高い2次試験を見据えて、基礎固めとして科目の本質の追究・基礎の深い理解に力を入れており、理解力をしっかり測ることができる記述模試に力を入れている。ただし、共通テストにも対応するために、どちらの予備校もマーク模試を年に4回程行っている。
*3 東進と他の模試の違い Toshin.com
*4 ただし、無料模試の後日受験は無料である
*5 河合塾の全統模試はリスニングでICプレーヤーを使用する場合は7100円、駿台模試は成績表をWeb上のみで受け取る場合は6100円である。東進模試は現在ICプレーヤーを試験的に導入しており、これが本格的に導入された場合値上げされるかもしれない。
*6 校舎によっては行わないこともある
*7 東進生ならば問題をもらうことは可能