東進模試 のバックアップ(No.14)




はじめに

残念ながら東進の模試は河合塾や駿台の模試と比べて質が劣るという意見が多く見られるように、素晴らしい模試ということはできないものもある(林先生志田先生にも酷評されている)。ただ他予備校の模試の質も、過去問と比べるとあまりにも粗悪なものがほとんどであるため50歩100歩感は否めない(実際のところ東進模試もそこまで悪くないという意見もある)。ただ東進模試(特に記述模試)は受験者数が他予備校の模試と比べてかなり少ないために判定やデータの正確性に疑問が残る(なお、東進模試のホームページでは「全国での立ち位置や志望校の合否判定をより正確に知りたいと思う人は従来の模試の中でも受験者数の最も多いS模試東進模試と合わせて受験するのもよいでしょう」とある*1)。
時間配分や雰囲気慣れなどの実地経験の獲得と演習量確保および苦手分野の発見に有用なのは言うまでもない。

特徴

東進模試の1番良い点は成績表の返却が早いことである。マーク模試なら1週間、記述模試なら10日ほどで返却される(学力POS上でなら、もう少し早い段階で見ることができる)。他予備校が返却に1ヶ月かかっていることから考えると、異常な速さ(記述模試はともかくマーク模試の返却に1ヶ月はかかりすぎな気もするが)。母体数が少なく、他予備校と違い学校受験でもほぼ同じ日に実施されることからできることである(他塾・予備校だと、学校実施日が公開会場での実施日より1~2週間前後にずれることが多く、全ての結果を集計しないと結果が出ないため、結果としてかなり遅れてしまう)。
また、成績表のクオリティ(特に共通テスト型)は他予備校に比べると高い(共通テスト型は他予備校が1、2枚程度であるのに対し、国立理系は12ページ、国立文系は13ページもある)。
ただし後日受験の場合は共通テスト模試・記述式模試どちらも実施から返却まで2週間以上かかるため注意(後日受験の結果を組み込まないことで模試の返却を早めた弊害である)。
大学別模試の場合、解答用紙の形式が本番と全く同一である。これについては、他予備校の模試が受験人数の多さから解答用紙の形式をオリジナルなものにして採点の効率化を進めているのに対して対照的であり、たとえ判定と問題があまり当てにならなくても1回は受けるべきと言われる所以である。

解説授業

実施日の翌日からt-Podで解説授業が受けられる。わからなかった問題や解き方の不安な問題はこれで解決しよう。2019年度までは記述式・大学別模試については実施日の2週間後から受講可能だったが、2020年度より共通テスト模試と同様実施日の翌日に変更された。2019年度までは、東大模試の英語の解説授業で生徒の優秀答案を紹介していたが、2020年度より模試の実施前に収録されるようになったのでそのようなことは行われない模様。
ただ解説授業の講師が普段受けている授業の講師と違う、つまり教え方や読解法が異なる際は、今まで積み上げてきた解法をぐちゃぐちゃにされる危険性がある(特に現代文は事故率が高い)ので、受講は慎重に。
2020年の解説授業担当講師はこちら

受験料

東進生は入塾時に模試費を支払っているので、模試申し込み時に料金を払う必要はない。指定された模試をサボらず受ければ元は取れる。ただし、後日受験*2には別途1100円(税込)がかかるので注意*3
個々の模試費用についてはそれぞれのページに記載。

ちなみに、東進模試は、河合塾の全統模試や駿台模試に比べて安い。例えば、共通テスト模試だと、全統模試は7,100円*4、駿台模試は6,600円*5なのに対し、東進模試は5,500円である(ただ、ICプレーヤーを試験導入しているようなので、本格的に導入したら値上げするかもしれない)。解説授業がついていたり、年に5回も無料模試をやっているので、明らかに採算が取れていない。前述の通り、内部生も、前述の通り入学時の模試費しか支払ってないので、模試に関しては恐らく確実に赤字だろう。

他予備校と日程が重なった場合

他予備校(駿台、河合塾)との受験日が重なった場合には各自が自分の実力と模試の難易度をよく考えて東進模試にするか他予備校にするか選択すべき。
共通テスト本番レベル模試や、早慶上理・難関国公立大模試、
全国有名国公私大模試は後日受験がある*6ので、東進模試を後日に受けるのも手。大学別模試は後日受験ができない*7ので注意。

作問について

東進模試は、ほぼ講師が作問を担当しています。ただし、他の予備校と同様、

  • 1:テレビCMで出てくるような超有名講師は、特別公開授業などで全国に回るのが忙しい為、基本的に作問ではなく、問題の監修を行っていることがある(特別公開授業を年間数十回行っている講師は基本的に外れていると思ってもらって構いません)。
  • 2:公式ページに載っていない講師(東進の公式ホームページに載っている講師は全体の約6~7割ほどらしいです。実際は100名ほどいるようです)が作問を担当していることが多い。

また、とある講師から聞いた話としては、

  • 1:難関大&有名大模試は本部から問題の概要(どの分野の問題を作るかなど)を聞き、それに従い各講師が大問毎に作成し、それぞれの問題を合わせて1つの模試として作成しているらしいです。なので、解説授業を担当している講師が作問しているとは限りません(むしろ作問していない人が解説授業を担当していることが多いようだ)。
  • 2:難関大&有名大&旧帝大模試のどれも、作問を担当する講師が毎年変わることが多い。
  • 3:旧帝大模試はその年の入試傾向を反映し作問するが、難関大&有名大模試は模試が行われる1年以上前に作問するので、講師に聞いてみてもその問題を作ったかどうかはあまり覚えていないらしい。
  • 4:東進の旧帝大模試の数学は異様に難しいが、理由としては、各講師がみんな赤本の難易度で言うB~Cの問題を大問毎に作問し、それをお互い相談することなく集めて1つの模試にしているので難しいようです(本来の試験だとA,B,Cの難易度の問題がそれぞれ1~数題ずつあるが、東進の模試だとそれが無い)。

その他

普通なら関係ないが、ネット申し込みでは二浪まで(厳密には20歳まで)しか受けられないことになっている。大学再受験を考えていて東進模試を受けよう、と思っている21歳以上の方(そんな人がいるかはわからんが)は東進に直接問い合わせてください。この年齢制限は、既卒生がいたずらに受験し、正確なデータを収集できないということが起きないようにしているものなので、20歳以上の方で大学進学を目指している方なら受験することが出来る。(その旨伝える必要はある。)





*1 東進と他の模試の違い Toshin.com
*2 東進生のみ可
*3 無料模試の後日受験は無料
*4 リスニングでICプレーヤーを使用しなければ6,000円
*5 成績表をWeb上のみでの受け取りなら6,100円
*6 校舎によっては行わないこともある
*7 東進生ならば問題をもらうことは可能