やまぐち 健一 のバックアップ(No.16)


人物

わくわく物理探検隊の隊長。3月28日生、23歳の元気なおじいちゃん。早稲田大学、同大学院で物理を専攻していた。生前は河合塾と掛け持ちしていた。横浜DeNAベイスターズのファンで、アンチ巨人(特に原監督が嫌いらしい)。

独特のたとえ話やブラックジョークを用いた、「イメージ」を重視した授業を展開する。
イメージと言っても決して受験のための小手先のテクニック的なものではなく、本質をしっかりと捉えた「物理が出来る人の物の考え方」を教えるものである。
(実際、師は授業内でよく『本質的に間違ったことを教えるのは大嫌い』とおっしゃる。)
物理において初学者が混乱しがちな諸概念や式の導出などを豊富な例え話を使って文字通り「見える」ようにしてくれるため、師のイメージを授業で正確に理解し、使えるようにすれば受験物理ではかなりのレベルまで到達する。
見所を挙げればきりが無いが、一つ例を出せば「スタンダード物理 PART2」の電場という不可視の概念を説明する際に普通の男とモテる男(先生自身のことらしい)が女を引き寄せる影響力の差を例えにして説明する回は必見。
先生のイメージ重視が非常に色濃く出ているのが尊敬する物理学者である。詳しくは電磁気の回を見ればわかるが、「場の理論」を導入したファラデーを数少ない尊敬する物理学者として挙げている(他にはアインシュタインなど)。

このように、式がどういう意味を持っているかを可視化してくれる良講師。
例えば若手講師の筆頭である三宅先生も、「やまぐち先生のような人材はこの業界にはもう居ない」*1と太鼓判を押している。

微積を使った物理は大学からで十分、それよりいろいろな発想が出てくるような"考え方"が重要だ、という考えの持ち主。それもあって講義で微積は必要最小限しか使わない。

受講するに当たって注意すべき点は、板書が絶望的に汚いことである。(同じくスタンダード物理を担当している宮内先生が極めて精緻な板書であるため尚更目立つ。)長岡先生などの比ではない。(長岡先生は字が汚いだけで板書の構成は比較的綺麗であるのに対し、師は字が汚いうえにメモ書きのような板書であり、しかも平気で重ね書きする)講師紹介のPVを見ればそれはすぐに理解出来よう。
また、講義中のたとえ話は実在する人物(武井咲、北川景子、堀北真希、シャラポワ、田中眞紀子など)を引き合いに出した内容や、直球な下ネタなどかなり際どい内容が多いため、気にしない人なら抱腹絶倒であるがそのような話題が苦手な人の場合は苦痛でしか無くなる可能性もある(現に私の同級生や、かつて指導していた1学年下の学生の反応を見ても一定数苦手な人が存在した。)
ただ、その反面に物理のイメージを捉え、何を求めたいからどう式変形をするか、などのことが授業で掴めれば物理が覚醒するため信者も存在する。
物理が苦手な人が躓きがちな箇所や物理で勘違いしがちな発想について細かく言及してくれるため、物理が苦手な人ほど自分の物理に対しての甘い理解にハッとさせられるだろう。
口頭説明の情報量は凄まじいものがあり、物理に関連した雑談も濃密で興味を惹くものである。一分一秒を逃さず受講しよう。
ちなみに、収録が2013年であるため収録年付近の時事ネタが多く、北朝鮮や尖閣諸島に関連した例え話をしたり、人物の例えに安倍晋三前首相やオバマ前大統領を使ったり、東日本大震災に関連した物理の話やこれからの課題についての話をしたりしている。

以下、やまぐち劇場を列挙する。気にならない人には本当に抱腹絶倒であり、ブースで笑いを抑えるのに必死になる。
・黒板ではなくカメラ側にあるモニターを見ながら板書することが多いので、必然的に字が汚くなる
・電子黒板に文字を書く際、他の先生はタッチペンを使うのに対し、素手で書く
・運動量保存則を「うんぽ!」と略す
・「耐える」という感じが分からず「田植る」と書く
・↑に限らず分からない漢字は当て字or仮名書き
・分母と分子について、どっちが上でどっちが下か分からず、分下と分上と書く
・喋っている途中にいろはすを飲む
・波動の授業では水着ギャルが多発する
・下ネタは当たり前(特に電磁気の授業)
・黒板に頻繁にう○こを書く
・S台、K塾、Yゼミを頻繁に爆破・破壊する
・S台、K塾、Yゼミの生徒は全員不合格にする
・山口大の問題が登場しテンションが上がるが、思ったよりつまらない問題で「漢字の山口はダメですね」と言い放つ
・最終講ではゴジラの絵を描く(熱効率の説明に使うのだが、かなり分かりやすい)

以上の通り、幾らか受講者の相性に頼る部分はあるものの非常に良い講師である。
特に「物理が入試科目として必要だが、どうしても苦手である」という人にはお勧め。苦手とまで行かなくても苑田先生の講義に付いていく自信が無ければ受講する価値は大いにある。「スタンダード物理」をすべて受講すれば入試問題へのアプローチの方法は確実に身につくであろう。実際に京大などの最難関大志望ではあるが、「スタンダード物理」のみで挑む者も少なくない。

なお著書に「わくわく物理探検隊」があり、講義の練習問題とリンクしているためこちらもお勧めである。大学入学後の復習にも使える。授業よりは控えめであるが、説明パートではやまぐち節は健在である。

 

「IとHは比例します。つまりIが強ければHが激しくなりますね!!!」
「いいですか皆さん。僕が求めたいものはIなんです。なんかかっこいいですね」
「Iなんてものは本当は存在しませんね。あるのは憎しみや皮肉や嫉みですね」
「Iなんてものはなかったね!もうIは全て偽ものです!」
「僕とシャラポワだけの愛は本物です。あとはみんな偽ものですからね」
「君の左にいる奴見てください。今英語見てる奴です。そいつ佐藤っていいます」
「君の隣のブースにいる奴見てください。バカみたいな顔してますね。どうせ文系です」
「なんか入れましょうか。うんこでもいれましょうか。何を書いてるんだ」
「見たことない人は今からヤマダ電機かケーズ電機に行ってくださいね」
「先生、ペットにゴジラ飼ってます」
「これを専門用語で夜の井の頭公園状態っていいます」
「夜の井の頭公園では新しい男女なんて生まれませんね!・・・あっまあ生まれるかも知れないですがそういうのは文系に任せとこうね」
「北朝鮮がミサイル撃った!!!」
「今求めたのは原点ギャルだけの式ですね。僕は全てのギャルを知りたいわけです。」
「僕と武井ちゃんは常に万有引力で引かれあってるわけですね。文句ないよね?でも残念ながら質量がある以上、僕と君も引かれあってるわけです。」
「仕事が負なのでこれはYゼミですね!」
「世の中には2つの人間がいます、自分のミスを認めるリンカーンみたいな人と、ごまかす麻原みたいな人ですね」
「もちろん美人の尺度とかはありますよ、そういう文系的な話は向こうに任せておいて」
「てめえらもっと仕事は厳密に書こうねだから早稲田の教育って言われるんだよとかなんとか書いといてねそしたら多分減点されますから、裏っかわに書いとこうね」

 

2018年度途中より、体調不良のため河合塾を退職されており、東進での活動もなかった。
同年6月頃に逝去された模様で、三宅先生のツイート*2にそれを裏付ける投稿があった。これに伴いスタンダード物理演習(基礎)は未開講となった。師の講義を残して貰うように三宅先生が東進の本部に働きかけているとのこと。2020年9月現在、訃報は東進のHPでは発表されていない。そのため今後講座が残るかどうかも現在のところ不明瞭である。

担当講座

  • 通期講座(廃止)
    講座コード講座名
    1239/1242スタンダード物理Ⅰ・Ⅱ①②
    0170/0183スタンダード物理Ⅰ・Ⅱ①②
    9473ハイレベル物理Ⅰ・Ⅱ演習
    9484ベーシック物理Ⅰ・Ⅱ
    2561/2574スタンダード物理ⅠB・Ⅱ①②
    9135ベーシック物理ⅠB

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